かねてから感じていることとして、救急救命士(消防職員)の作るパワポは超ダサいです。私自身、マイクロソフトの教室に通っていたとか、デザインの勉強を専門的にしたとかは全くありません。いわば、素人同然なのですが、それでも見苦しいと感じるスライドが多々あります。
今回はその実例を添えて、皆さんに自分の作ったスライドについて見直してもらうべく、意を決して提案したいと思います。世の中の同士よ、ダサいパワポを卒業しようぞ。
ダサいスライドって具体的にどういうものか
上に示したスライドは、ダサいパーツばかりを組み合わせた、いわば”究極のダサいスライド”です。しかし、パワーポイントの操作をするという観点から考えると、これだけの機能を使って仕上げにるには、それ相応のスキルを要する人であるには違いありません。
でも、やっぱりダサい。部下に頼んで出来上がったスライドがこれだったら、僕は2度と彼には依頼しません。面倒なスライドづくりを上司に頼まれてうんざりだという方は、ぜひ、このスライドで撃退しましょう。
では、何がダサいのか、チェックしてみましょう。
ダサいスライドのダメ出しポイント
まず、先ほどのダサいスライドのダサいポイントをピックアップしていきましょう。
- 情報量が多い・・・スライド作りの基本は情報を視聴者にしっかり伝えることです。プレゼンターの話す内容とスライドの情報量がアンバランスな場合、2つの情報がうまくリンクしません。情報量が多いスライドでは、視聴者は読むことに集中してしまってプレゼンを聞いてくれません。
- 窮屈なレイアウト・・・情報量に比して、レイアウトにゆとりがありません。見ていて窮屈な印象を受けます。
- 柄ものの背景・・・単純に文字が読みづらいです。無地の白かグレーのグラデーションでいいです。
- 影付きのフォント・・・これも文字が読みづらいです。やるなら袋文字加工です。
- 中央ぞろえ・・・左端から文字を読むことに慣れているので、文章の場合は左揃えが自然です。
- 線付きの枠・・・塗りか、囲み枠かどっちかにしないと煩雑な印象を受けます。また、中の文字の可読性が下がってしまいます。
- 配置が不ぞろい・・・文字の配置はピッチリ揃えないと、情報のグルーピングができず見ているほうが疲れます。
- 原色の色使い・・・鮮やかな原色は目が疲れます。少しカラートーンを落としましょう。
- 立体のシェイプ・・・人間は文字より形の認識を先に行います。過度な装飾はやめましょう。
- 小さいフォント・・・齢50を過ぎると何百インチというスクリーンでも難読。老眼をいじめないでください。
- 細いフォント・・・明朝体は老眼の敵、文字がかすれて読めません。ゴシック体を使ってください。
- 不相応なフォント・・・スーパーのポップならまだしも、少し用途を考えましょう。
- 斜体や下線で強調・・・強調の手法に一貫性がなくなってしまいます。何が大事かわかりません。
- 行長が長い・・・プレゼンテーションの資料には、句読点を含む長文は不要です。読んでもらうのではなく、聞いてもらいましょう。
- 角の丸め・・・大きな丸めは角の文字に圧迫感が出ます。丸めるなら慎重に小さく調整しましょう。
- 吹き出し・・・吹き出し自体は悪くないのですが、形がイケてません。角を丸くした四角のシェイプにします。ただし、吹き出し部分がひずんでしまうので三角形のシェイプとグループ化して作りましょう。
- 立体のグラフ・・・単に見えにくいです。色使いも原色メインで目が疲れます。
- 不要な凡例・・・グラフの縦軸に項目名が表示されているにもかかわらず、凡例を載せる意味がありません。
- ゆがんだ写真・・・写真の縦横比は変えてはいけません。レントゲンや心電図なんかも絶対だめです。
- 所属のマーク・・・いりません。興味もないです。
- 見えない下端・・・会場にもよりますが、スライドのボトムは少し余裕を持っておかないと後列の方は見えません。
以上がダサいスライドのポイントでした。
どうです?結構当てはまる方、いると思いませんか?
人前で披露する前にチェックしたほうがいいですよ。
不要なスライドを撲滅したい
かねてから不要だと思うスライドは2つあります。
1枚目はこれ
あぁ、俺はその前の結語か、もうひとつ前の考察のスライドを見たいんだよ。
こんな終わりのあいさつをスライドにする必要ねぇよ。(心の叫び)
で、「ご静聴」ってどうよ、どうせなら「ご清聴」でしょうが。
そしてもう一つがこれ
発表でよくある「背景」を説明したいスライドですが、発表内容に関連するならいいんですよ。
でも、東〇消防庁さんが「消防情勢について」とか冒頭に説明されても、「いや、だいたいイメージあるし」って。
それと、観光地やご当地キャラの紹介を一生懸命される方もいますが、本懐は自分の研究発表なんだからほどほどにしないとね。
超ダサいスライドと撲滅したいスライドを紹介してきました。
まぁ所属に教えてもらえるような人に恵まれない方も多いと思います。このブログでちょっとしたポイントなども紹介していきたいと思いますので、ちょくちょく覗いていただけると嬉しいです。
令和4年1月に「救急救命士のためのHow to 学会発表」という本がへるす出版さんから発売されます。
それにも、PowerPointのノウハウが詰まっています。ぜひ、ご一読ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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